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ものづくり道場  2017年

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2017/12/1「ミスが少ない設計手法」〜単純ミスを防ぐ〜

テーマ 「ミスが少ない設計手法」~単純ミスを防ぐ~
講師 生産技術部技術課 課長 名取 淳

ニアミスは増えています

アナログからデジタル時代になることで書くより視覚中心に。そこで様々なビジネスシーンで単純ミスが増えてきます。ツールが新しく便利になってもミスはいわばヒューマンエラーであることにはかわりません。そしてそのミスをなくすのも人間のチェック機能です。

「気をつけます」から「対処します」へ

さまざまな状況やスケジュールが絡み合って「勘違い」「不注意」「忘れる」のミスが起こります。これは時として避けられないこともあります。ミスの指摘を受けた際には「気をつけます」だけではなく、そのミスを対処すべき方法をきちんと伝えられることが重要です。ミスが起こった際にどう対処するかを日常的に準備しておくこと、これは対処する能力はもちろんミスを極力なくすことにつながります。

まず「NOミスの基本」

仕事を見える化する・・・・・紙面に残して情報を共有する。
必ず見直す、できれば復唱するとより鮮明に・・・・・チェック。

現場でのチーム間のニアミス防止は人間力と思いやり

1ミーティング前の知識や情報を入念に確認

仕様書の確認。
資料を整理して改善点や問題点など事前にチェックしマーキング。
見積りや伝票、メールのやり取りのチェックと情報共有。

2打合せで摺合せする

比較図など目に見える図面を必ず用意する。
打合せ出席者を明記する。
技術者同士であればラフスケッチでイメージを伝えながら摺合せ可能。
商社が出席している場合は必ずメモしているのでのちに照合する。
pdfで送受信できることで書類や図面に直接書きこみながらやり取り、確認できる。
1案だけでなく数案を提示しフレキシブルに提案できることを発信する。
疑問点や質問、確認事項な直接書きこみ、常に情報を公開し問題定義をすることでミスや勘違いをなくす。

3設計(CAD)図面上に色分けして確認

部品、溶接部分、図面が重なる箇所や見えにくい配線など一目では確認しにくい箇所は色分けする。
同一の図面に不明点や先方の要望などをイラストなどで分かりやすく記入。
マーカーや事務用品にも工夫を凝らし確認を積み上げていく。

4一つの図面に修正、変更を重ねて完結する

図面を修正し上書きをすることでミスが連鎖することを防ぐ。

5図面や過程は各部署で共有すること

修正箇所などスルーしてニアミスから事故につながることのないように関係各所に公開する。
・可動部分は必ず3面以上記載しロボットはシミュレーションで検証する。
・仕様書は見えにくい、あるいは見えない個所にも注意しユーザーに最適化を検討。懸念があれば打合せで確認する。

6貼り付け、コピーペーストは絶対にしないこと

7不明点、不安点はそのままにせず上司に確認、共有すること

8加工メーカーに対してはわかりやすくイラストで表現し、色分けして指示を記載

データは事務所に、図面は現場で分かりやすく見やすく工夫することでミスが減少する。
口頭だけではなく注釈・脚注として図面に自分の意図を記載することで加工業者はスムーズに作業できる。

9部品はリストに、写真を撮って描きこんでおく

図面で見えにくい箇所は写真、動画を撮影し保存。
思いついたことや気づいたことはどんな小さいことでもその場でメモをする。

図面にすべて打合せしたことや確認事項、疑問点など必ず記載することがミスやリスクをなくす重要ポイント

以上の解決策は長年培ってきた技術とスキルの積み重ねです。必ず情報は共有し、そのためにいかにわかりやすく相手に伝達し、保存するかまたコピーペーストなどパソコンの画面に頼らず、出力や色分けをし確認することでノーミスの仕事と信頼が得られることになります。ハイテック精工が半世紀以上継承する企業であることはこういった小さい防止策を改良し、積み重ねていくこと、そして何よりも関係各社に対する思いやりです。ぜひ機器や環境が新しく塗り替えられていったとしても頼りきるのではなく、ニアミスをなくすことは相手に伝えようとする思いやりや工夫から成る人間力であるということを肝に銘じてください。

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